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zoom RSS 博士の愛した数式その他

<<   作成日時 : 2015/09/23 17:05   >>

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 小説家、小川洋子の著した小説「博士の愛した数式」に出てくるのであるが、主人公の数学者が世界で最も美しい数式として愛した「exp(πi)+1=0」という数式について感想を述べる。
 これは美しいというよりも不可思議な恒等式である。記号については以下の通り。exp(πi)は自然対数の底eの(πi)乗。πは円周率、iは虚数である。
 超越数とは有理数を係数とするいかなる代数方程式の根ともなり得ない数のことである。例えば√2は無理数であるが、x^2-2=0の根だから超越数ではない。円周率πや自然対数の底eは超越数である。実数または複素数の中で、超越数でないもの(代数的数)は可算個しかなく、この意味で、実数、複素数の大部分は超越数である。
 ところで、exp(πi)=cosπ+isinπで、cosπ=-1,sinπ=0であるからexp(πi)=-1となり、exp(πi)+1=-1+1=0となる。
 以上のように、この短い数式には、数学の様々な概念が含まれる美しい数式といえる。




 もう40年以上前になるが、大学の教養学部にいた頃、ドイツ語の講義で、動物行動学者コンラッド・ローレンツの著書「ソロモンの指輪」の中の一編「モラルと武器(Moral und Waffen)」を読まされたことがある。同著によると、例外はあるが、人間以外のほとんどの動物が、聖書に書いてある「人もし汝の右の頬をうたば、左をもむけよ」という教えに、進化論的に発達した原理により、本能的に従っているようである。仲間同士で殺しあう動物は、基本的に人間だけである。
 犬やオオカミの持つ牙のように、動物は身体に付属した「武器」を持っている。それらの武器の「使用本能」を持つと同時に、一般の動物はそのような本能の解発「抑止本能」も、併せ持っており、仲間同士で殺しあうことは基本的にない。人間以外の動物同士の戦争などというものは聞いたことがない。これらの相補的な本能は、動物が進化の過程で、獲得したもので、もし、そのような仕組みがなければ、その動物は滅んでしまう。
 人間以外の動物にとって、武器は身体の一部で、それに対して、進化論的に本能が発達しても不思議はない。しかし、人間は自分の身体の一部ではない核兵器などの武器を発明してしまった。身体の一部であれば、進化論的に抑止本能を発達させて、戦争を防ぐということもできようが、核兵器を始めとする一般の人間の武器は、身体の一部ではないので、そのような本能を発達させるのは、原理的に不可能である。
 広島、長崎以外に原爆が投下されたことはまだないが、これは本能によるものではなく、人間の理性による抑止力であろう。従って、本能のように無条件に適用されるわけではあるまい。広島や長崎の記憶は風化させてはならない。したがって、いつまた、核兵器が使われるかは分からない。核兵器などが使われるのを防ぐには、基本的に核兵器の廃絶など、武器を廃棄する以外には、根本的に方法はないだろう。
 戦争を防ぐには、「人工的な武器」の廃絶以外には、根本的な方法はないだろうが、実際に全ての武器を廃絶するというのは、理想論ではあり得ても、現実には難しい話だと思う。最近の安保法案を巡る議論も、これと反対方向の議論になっている。自分だけ、武器を捨てるのは難しいからだろう。こちらが武器を捨てれば、相手も武器を行使できないということも、人間以外の動物の攻撃抑止本能には組み込まれているのであるが。これを、人工的に構築するのは非常に難しいだろう。やはり、武器の廃絶以外に方法はない。




 地球温暖化の原因については温室ガス効果によるものと考えられているが、その背後にあるのは、地球全体の熱収支のバランスが崩れてきているということだろう。人類全体の生産活動によって生成される熱エネルギーが、放射冷却によって地球から宇宙へ放出される量よりも、大きくなってきているのである。したがって、温室効果ガスの排出を削減をしたからといって、すぐに地球温暖化が止まるわけではない。温室効果ガス濃度が同程度でも、地球全体の熱収支が改善されない限り、地球温暖化は進むことになる。地球温暖化を止めるためには、温室効果ガスの排出を削減するばかりでなく、人類全体の生産活動を抑え、生産活動による熱エネルギーの放出を抑える必要がある。効率が100%の熱機関は存在しない。どのような熱機関を用いても、利用できない部分のエネルギーは熱エネルギーとして放出される。熱機関によるエネルギーのほぼ70%は熱に変化してしまう。
 人類全体の生産活動を抑えるというのは、大げさな話だが、経済活動と直結する問題なので、発言するのも憚れ、生産活動を抑えろと主張するのは勇気がいることだが、本当の話であろう。地球温暖化といえば温室ガス効果を連想するのが普通だろうが、人類全体の生産活動量を連想する人は少ないようである。
 地球温暖化と同時に冬の寒冷化という矛盾することも生起しているので混乱しがちだが、今日観たNHKの番組によると、地球温暖化により、北極海の氷が解け、寒気を閉じ込める効果をゆうする北極圏ジェット気流の速度が遅くなるため、北極圏の寒気が拡散することにより、冬の寒冷化が起こるとのことである。
 今年の日本の夏は記録的な猛暑であったが、オーストラリアは以前から、そのような現象が見られ、40度以上の猛暑も普通になったという。
 はたして、経済的発展を求めて、人類滅亡への道を選ぶか、人類全体の生産活動を抑えて、そのよう道を回避するのか。私が生きている間に人類滅亡ということはありえないだろうが、長い目で見た場合、私個人は人類の未来を悲観的に観ている。








荒井公康
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